本日 2007年度の一本目の仕込を致しました。
え?今頃? と、おっしゃる方も多いかと思いますが。 さにあらず!以下にその理由を理論的に解説いたします。
1.長良川蔵元が小さな蔵だからです。(-_-) にべもありません。
新潟の蔵元(八海山様)で修行をしていたときは、9月には蔵を大掃除して準備にかかってました。前年の片付けが終わったのが7月なのに…。冷房装置も米蔵から搾り機械まで万全でした。蔵としてさすがです。
2.寒造り (冬期の寒いときにのみ酒を造る)の蔵だから。
1と近い理由なのですが、最近は小さな蔵でも冷房設備を万全にして、小さな仕込を年中される蔵もあります。負け惜しみの感はありますが、古来より行われてきた“寒造り”には先人の知恵のが込められております。さらに、岐阜の現状の酒米にこだわると、あまり無茶な早造りはできないのも事実です。
3.酒母 (しゅぼ:文字通り酒の母。これを倍倍としていくのが、伝統の段仕込みです。)からじっくり造ります。
以前は長良川蔵元でも、新酒を早く出すために、ハイテク?で酒母仕込みをカットして本仕込みを行ったこともありました。ただ、長良川蔵元のポリシ-である「完全醗酵で旨味のある酒を醸す」為に、酒母からしっかりと造ることにしております。酒母だけで、二週間以上の日数を必要とします。
←今でも 輪釜式の蒸し釜で、蒸米を蒸しております。
文章稼ぎのような蛇足を沢山書きましたが、やっとの1本目。
うれしさと緊張感とが高まってきます。まだ、先は長いですが、
お米の様子を探りながら良酒を一本一本醸していきたいと
考えております。
長良川蔵元らしさの継承&新しい麹菌・新導入酵母。
温故知新で五代目蔵元杜氏の酒造りは始まりました。
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