長良川立春の。。。裏話?!
2016.02.09
今週は かなり 底冷えのする寒さの日々となっております岐阜地方です。
本来 このくらい冷え込むのでしょうが、この寒さをもって この冬がここまで いかに暖かかったかを あらためて想うのでありました。
立春を迎え 春の気立つも
この頃が 体感的には 一番冷え込みを感じる頃ですものね。
それだけに 節気の中でも 春を迎える喜びとなる立春は めでたさひとしお!なのですね。
多くのおかげ様により、本年の長良川の立春朝搾り、好評をいただき ありがとうございました。
好評いただく前には
緊張の立春朝までの 蔵の様子がありて。。。
それを
立春裏話・・・といいますか?
立春秘話・・・といいますか?
・・・・・・・・ふふふっ・・・・・・
さてさて、この立春朝搾りは、造る側にとって 「杜氏泣かせ」といわれる造りのものであります。
どこが?杜氏中泣かせかといいますと? ご存じの通り 搾り上がりの日が必ず2/4と決まっていることです。
いつもの蔵の仕込みは 日程はあるも、絶対的!!!に搾る日が決まっているわけではございませんで、
その醗酵の様子、面、データなどを見まして搾り頃あいの最適を見極めればいいのですが
そうではなく、立春朝に搾り上げるが決まっている!ということは、できあがりが早すぎたり遅くなったりしないよう 完璧なもろみ管理が必要なので、杜氏泣かせというわけなのです。
長良川として この杜氏泣かせの立春朝搾りを出させていただくようになって 今年で8回目!
少しは慣れた?・・・いいえ、、、慣れるというものではないのが この立春朝搾りというものです。
ここからが 裏話?秘話?本番なのですが、
今年の冬は、記録的な暖冬(汗)への対応として、立春朝搾りとしては初めてとなる サーマルタンクでの仕込みを行いました。
サーマルタンクとは、冷蔵装置が一体となったタンクのこと、
そのサーマルタンクで 低温醗酵を徹底しての造りとなったのでした。
搾り上がった立春朝搾りは、長良川蔵にしては いつもより香り華やかに仕上がったよう!
味わいも バランスがとれて、キレがありながら、マイルドな旨みある、香りも含め とても バランスよく仕上がりました。
ちょっと 上品すぎるかな?と思うほどですが。。。
仕込みをした直後には とんでもない暖かいお正月を過ぎ越すことになり
あるいみ、サーマルタンクでの立春朝搾りへの道は、「設備って、すごいわぁ」と改めて実感するのでもありました。
・・・が、設備がよければ いい酒になるとは限らないのが 仕込みの神秘なところ!
杜氏泣かせの立春朝搾りにあって、長良川蔵杜氏のいちばんの泣いたとこ(←(^_^;))は、
サーマルタンク仕込みの低温醗酵で ある意味 リスクを減らした感もあるのですが、
一番苦労したところは、やはり 何より欠かせない「長良川らしさ!」をいかにのっけるかのところ!!
具体的には、低温醗酵で 長良川らしさのコクをしっかり出す!ということ!!
先に言いましたように、かなり上品な仕上がりでありますが、
反面(?)、しっかりと味をのっけてあるので、それを、長良川らしさをそこに感じていただけたなら 長良川杜氏としては「よし!」と思うのでありました。
さてさて、
立春朝搾りに使用しました酒米は 山田錦でありますが、
今年の秋に収穫の山田錦は生育も良く、
また 洗米での限定吸水や、
もろみ経過も順調であった立春朝搾りに向かう造りでありましたこと、長良川立春朝搾りの秘話(←裏話)の締めくくりとさせていただきます。
長良川の立春朝搾りを飲んでいただいた皆様に感謝。
もちろん、日々の長良川を飲んでいただいてる皆様には ほんとに ホントに大感謝!
・・・蔵の本流の仕込みは まだまだ続く 岐阜は長良川の蔵元より。